高級クラブの料金システム
クラブのホステスを務め上げるには、お客様のことをよく知っていなければいけません。接客業の基本ですね。
高時給にひかれて高級クラブの求人を探す方が多いですが、お客様が高級クラブで遊ぶ際にどのような形でお金を支払ってくださるのか、いわゆる料金システムを知らないなどということがあってはいけないのです。
すでにキャバクラ嬢の経験がある女の子でも、高級クラブの料金システムはキャバクラとは少々違ってきますから、お客様の立場となれるように、まずはこの知識をしっかりと持っておきましょう。
お客様への接客の意識も変わってくるはずですよ。
全てのお客様が支払う「セット料金」とは
お客様が来店されると発生するのが「セット料金」と呼ばれるものです。
入場料や座席料と認識しておくとわかりやすいかもしれませんね。
「ファーストセット」と呼ばれるものも同様と思っておいて問題ありません。
相場は、高級クラブの場合ですと20,000~30,000円ほどです。
このセット料金やファーストセットは、座席料の他にチャーム(おつまみ)やミネラル(お水)の料金が含まれるお店が多いですが、別途発生するお店もあります。
別の場合、チャームは2,000~3,000円程度、ミネラルも同額程度がセット料金に上乗せされます。
ただし、チャームやミネラルが別料金となっているお店では、セット料金は相場よりも安く、10,000円台に抑えられているところが多いです。
高級クラブのVIPルームなどを利用される場合には、このセット料金も当然のように上がることになりますね。
■ 高級クラブのセット料金(ファーストセット)の相場は20,000~30,000円ほど
■ セット料金には座席料、おつまみ、水代が含まれる
■ セット料金に座席料、おつまみ、水代が含まれない場合はセット料金は1万円台に抑えられている場合が多い
チャージ料金の種類や相場
セット料金やファーストセットと別に発生するのが、各種チャージ料金です。
チャージ料金の種類や相場を簡単にですが見てみましょう。
・テーブルチャージ/5,000円前後
・オールチャージ/5,000円前後
・ボーイチャージ/5,000円前後
・タイムチャージ/4,000円前後
・ホステスチャージ/3,000~10,000円
・サービスチャージ/トータル料金の40~50%
料金はすべて相場であり、お店ごとにかなりの差があります。
オールチャージというのは、クラブのサービスに対して支払う料金ですね。
少し曖昧な部分があり、お店ごとにどのようなサービスを含むのかは異なってきます。
タイムチャージは、延長料金と考えておくといいでしょう。
最初のセット料金やファーストセットは60分や90分など時間に制限がかけられています。
それを超えてしまうと自動的にタイムチャージが発生する仕組みになっているのです。
30分ごとにこのタイムチャージが発生するお店が多くなっていますね。
ホステスチャージは指名料のようなものですが、これが一切ないお店も存在しています。
ある場合には、ホステスのレベルや質などにより料金が大きく上下します。
この各種チャージ料金は、高級クラブのシステムの大きな特徴と言ってもいいかもしれません。
キャバクラにもセット料金や指名料などは存在していますが、高級クラブほど細分化されていませんよね。
高級クラブに来店くださるお客様は、これだけの料金を私たちに支払っていただいているということなのです。
■ セット料金(ファーストセット)は時間に制限がかけられている
■ 決められた時間をすぎると自動的に延長料金(タイムチャージ)が発生
■ ホステスチャージはホステスのレベルや質などにより料金が変動
お酒や食べ物は別料金
セット料金と各種チャージ料だけでもかなりの金額になることがわかるはずです。
それにプラスして、お客様がオーダーされたお酒や食べ物の料金が発生します。
お酒はボトルでのオーダーとなるので、1本数万円から数百万円と、相当な幅があります。
食べ物に関しては、基本的には店舗近くのお店からの出前となりますね。
何を注文されるのかにより、料金も変わってくるわけです。
ちなみにですが、お酒に関しては一般の酒屋さんや通販ショップなどで購入する金額の5倍前後の金額で提供されています。
キャバクラでは一般的な価格の3倍程度と言われていますから、この点でも高級クラブは他の飲食店と異なりますし、独特のシステムや設定になっていると言えそうですね。
永久指名制度、係制度とは?
高級クラブのシステムとキャバクラのそれの決定的な違いは、指名制度にあります。
私も過去にキャバクラ嬢の経験がありますが、高級クラブの係制度や永久指名制度には、最初はとても戸惑いました。
多くの女の子がすんなりとお仕事が始められるよう、この制度について詳しく説明していきます。
高級クラブ独特の制度
永久指名制度や係制度は、高級クラブにしかないシステムです。
これは、「お客様をおもてなしするホステスを固定すること」を示しています。
高級クラブは会員制であり紹介制度を導入しているところがほとんどですが、紹介されたお客様は、その瞬間に接客を提供するホステスが決定します。
お客様は基本的にホステスを自由に選択することができません。
また、一度決まったホステスを他の女性に交換することもできません。
これが、「永久指名制度」と呼ばれている理由です。
一度ペアになったホステスとお客様は、永久的にそのままペアでい続けることになるのです。
この担当のホステスは“係”とも呼ばれており、お客様をその先もずっとおもてなしすることになります。
そのため、「係制度」とも表現されているわけですね。
夫婦と同じように簡単には解消できない関係であると考えると、少し整理しやすいかもしれません。
■ 高級クラブのお客様はキャバクラのようにホステスを自由に指名できない
■ 一度「係」が決まったら他の「係」に交換することはできない
売上は全て係のホステスのもの
キャバクラであれば、ヘルプという形であっても、お客様からドリンクを入れてもらえれば、それはそのヘルプの子の売上として計上されます。
ところが、高級クラブの場合には、ヘルプの子が飲むドリンクなども全て、係であるホステスの売上として計上されるのです。
この点も高級クラブのシステムの独特なところですね。
キャバクラ嬢がホステスへ転身した時に戸惑ってしまうことの1つでもあります。
私もそうでした。
ただ、お客様は係のホステスとばかり一緒にいなければいけないわけではありません。
例えば、ヘルプの女の子とアフターに行くことも可能です。
もちろん一線を越えるとなれば話は別ですが、必ずしも担当ホステスとしか飲めない、アフターに行けないということはありません。
これも全てヘルプの子の売上が係の売上として計上されるためですね。
ヘルプの子がお客様の心を掴めば、それがお給料として係の子に入るわけですから、お客様とヘルプの距離が近くなることを制限する必要がほとんどないのです。
■ 高級クラブではキャバクラと違い、ヘルプの子の活躍で得られるお金はすべて係のホステスの売上になる
■ 高級クラブではキャバクラと違いお客様とヘルプの距離感に制限がない
お客様が係を変えることができるケース
永久指名制とは言っていますが、どんなことがあっても担当のホステスを変えられないわけではありません。
→キャバクラにはない永久指名制の概要と魅力を紹介
例外的にはなりますが、お客様が接客をしてもらうホステスを変更することは可能です。
最も多いパターンは、ホステスがお店を辞めた時ですね。
ホステスがそのお店を辞めてしまえば、お客様の係がいなくなってしまいます。
お店としてはお客様にその後も来店してもらいたいと考えるわけですから、新たな担当をつけなければいけません。
このようなケースではお客様が新しいホステスを係として指名することができ、そのホステスがお店を辞めるなどするまでは新たな永久指名制が続くことになります。
永久指名制度や係制度がある理由や効果
高級クラブが係制度や永久指名制度と呼ばれるシステムを導入しているのは、ホステスによるお客様の争奪戦を避ける目的があります。
キャバクラでは、お客様は来店時に自由に女の子を指名できますよね。
それによってお客様の奪い合いが起こり、キャスト同士のいざこざに発展してしまうこともあるでしょう。
高級クラブの係制度は、ホステスとお客様のペアを決めてしまうことで、そうした争いなどを避けることができるのです。
長い時間をかけて徐々に関係性を深めていき、お客様とより固い絆を作るためにも、この永久指名制度や係制度は役に立っています。
それがクラブの発展とホステスの成長に繋がっている点も無視はできないでしょう。
高級クラブの接客スタイル
クラブはキャバクラと比較されることが多いのですが、接客スタイルに関しても両者には違いがあります。
高級クラブの接客スタイルについて、最も異なる点を説明していきますね。
複数のホステスでの接客が高級クラブのスタイル
キャバクラでは、特別な事情がない限りはお客様1人に対してキャスト1人で対応します。
一方で、高級クラブは、複数のホステスで1人のお客様をおもてなしするスタイルとなっているのです。
キャバクラのようなマンツーマンでの接客というのは、通常あり得ません。
係のホステス以外はヘルプという形となります。
お客様をまだ持っていない女の子や、何人かの顧客を抱えてはいるものの、まだ一人前とは言えないホステスが、ヘルプとして接客をサポートするのです。
ちなみに、お客様を十分な数抱えているホステスを“売上”などと表現することがあります。
“売上ホステス”や“売上嬢”と呼ばれるのは、お客様がお金を使えば使うほど、それがお給料として跳ね返ってくるためです。
お店の売上を左右するホステスであると言えるでしょう。
■ キャバクラはお客様1人に対してキャスト1人のマンツーマン接客
■ 高級クラブはお客様1人に対して複数で接客
満足度向上と教育につながる
複数のホステスがお客様をおもてなしするという、この高級クラブの接客スタイルには、いくつかのメリットや効果などがあります。
最も大きな効果は、お客様の満足度が上がる点です。
お客様は初来店した瞬間に担当のホステスが決定してしまいます。
もしかしたら、好みとは異なるホステスが係となってしまうかもしれません。
そのホステスのみの接客では来店頻度が減る可能性があるため、できるだけ多くのホステスがテーブルにつくことにより、お客様の心や欲求などを満たすことができるのです。
お客様が飽きてしまうことへの対策にもなりますね。
いくらお気に入りのホステスであっても、毎晩のように同じホステスのみとしかお話ができなければ、飽きられてしまう可能性もなくはありません。
ヘルプの女の子数人が一緒に席へと座れば会話の幅も広がりますし、お客様も常に新鮮な気持ちでお酒を楽しむことができるのです。
また、お客様をまだ十分に抱えることができないヘルプの女の子は、間近でお客様を多く抱えるホステス、つまり売上ホステスの接客を見ることができます。
接客スキルやテクニックなどを目の当たりにすることで、ホステスとしての成長につながることは間違いありません。
まとめ
高級クラブのシステムや永久指名制度と係制度、そして接客スタイルについてまとめてみました。
キャバクラなどと重ねて語られることの多いクラブですが、高級クラブになると独特のシステムがあることがわかっていただけたのではないでしょうか。
ホステスはこのシステムに慣れ、むしろそれを利用しながら一歩一歩成長していかなければなりません。
まずは高級クラブ独自のシステムを理解することから始めましょう。
働きやすさやお給料のアップなどにも必ずつながりますよ。